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IAAE、メーカー4社が水性塗装実演

水性塗料をデモンストレーションするメーカー4社

自動車の売買・整備・メンテナンス等の最新情報を発信する展示会「第16回国際オートアフターマーケットEXPO2018」が3月14日からの3日間、東京都江東区有明にある東京ビッグサイトで開催した。延べ3万7276人(前年比5・9%増)が来場した。塗装実演コーナー(塗装デモンストレーション)では、日本ペイント、関西ペイント販売、アクサルタ コーティング システムズ、イサム塗料の4社が水性塗料を使用した塗装実演や調色システムの紹介を3日間にわたり実施した。

「水性化が急速に広まっている」と水性塗料で後発の塗料メーカーも話しており、水性塗料への関心が高まっている。来場者は4メーカーの水性塗料の作業性や仕上がりの比較ができるため注目を集めた(=写真)。

日本ペイントは次世代カラーベース「nax E3 WB」を使用して、トヨタ6W7(サーモテクトライトグリーン)の塗色でフェンダーをブロック塗装した。同社特許技術の「ハイレオロジーコントロールテクノジー」により塗装時のウェットオンウェット塗装を可能にし、粘性のある塗料は垂れにくいため、連続で吹ける。なお、水性塗料はマジョーラ原色やメッキ調シルバーの特別色にも対応しているという。

関西ペイント販売は、上市前の「オール水性有規則フリーシステム」を披露した。プラサフ、クリヤーも水性にすることで有機溶剤中毒予防規則に該当しないシステムを提案。水性により作業者へのリスク、臭気問題の緩和、さらに経営にもメリットがあるという。有機則フリーにすることで、局所排気装置や環境測定、特殊健康診断が不要となる。なお、同社の水性ベースコートで溶剤から水性への移行が昨年9月末時点で13%に進んでいる。有機則フリーの水性システムで顧客への選択肢を増やす構え。担当者も「年内中に上市してきたい」と話す。

アクサルタ コーティング システムズは、大気中の湿度を使い乾燥を早める特許技術を採用した「ウルトラパフォーマンスエナジーシステム」を実演。プライマーからクリヤー、ポリッシュまでの工程をバンパーのスポット補修で実施した。同システムは、生産性、速乾性が高い製品を使用することで、作業工程の短縮、エネルギーコスト削減の効果が見込まれる。プライマー塗装の必要のないワイプや速乾性のサフェーサー、クリヤーで構成されている。

イサム塗料は、マツダ46V(ソウルレッドクリスタルメタリック)のブロック塗装、「彩選短スマート」を使用した調色管理測定システム、トヨタ1K0の(メタルストリームメタリック)ボカシ塗装を水性ベースコート「アクアスDRY」を使用して実演を行った。同社は塗装作業の標準化を進めており、調色作業では新入社員や配置転換で慣れない人でもスムーズに作業できるようになる。水性塗料の希釈剤は2製品で日本の四季にも対応するシンプルな仕様となっている。
     
関連材料・資材関係では、創新がスチレンフリーパテ「E‐GRIP80」(厚盛、中間タイプ)と「E‐GRIP180」(仕上げタイプ)等をPRした。従来のスチレンパテと同程度の乾燥時間で常温18分から20分。プライマー要らずの密着力を発揮する。密着のバラツキもなく、これまでのスチレンフリーは臭気の問題があったが新製品は改善されたとのこと。

日本ジェット・オンは黄ばんだヘッドライトを最短20分(片側)できれいに蘇らせる「ヘッドライト再生システム」等を展示。約2年の耐久性があり、劣化したハードコート膜を除去し、無機コーティング剤でガラスの膜を作り保護する。材料にはトルエン、キシレンを含まない。ダイワオートモビルズは撥水機能のある「ナノメタルラバーコーティングハイブリッド」を紹介。同製品は自己修復性能の耐擦り傷性クリヤー塗装を妨げず、追従性の高いコーティング剤である。ゆたか磨材は、磨き関連製品を展示。ペーパー目消し、バフ目消しから仕上げまでを2工程で作業する実演を行い、工程短縮を来場者に提案した。