日本塗装技術協会、CN研究会最終報告
日本塗装技術協会は6月26日、東京都品川区南品川の日本ペイントホールディングス東京事業所のセンタービル1Fホールで2026年度第1回講演会「自動車塗装のCNを考える研究会 最終報告」を開いた。同協会の講演会で最多となる約270人が参加し、自動車塗装のカーボンニュートラル(CN)に対する関心の高さがうかがえた。

同協会の講演会で最高レコードの約270人が参加
同研究会は、4年前に発足。自動車OEM8社がCN実現に向けエネルギー利用、塗料・材料、工程革新、将来シナリオといった多角的な視点から課題の抽出と方向性の検討を進めてきた。同講演会では、各ワーキンググループの代表メンバーより集大成と位置づけられた最終報告の場となり、今後の自動車塗装の方向性を示した。
「ブースレスWG」では、スプレー塗装とフィルム、インクジェット工法の比較検討の成果についてトヨタ自動車の林晃基氏らによる発表があった。
前回の報告会ではフィルムのコストが従来塗装と比較し約3倍と試算を報告していた。今期のWGの取組みとして、コスト構造の深堀りを実施。材料製造工程では、保護フィルムの削減や基材フィルムと意匠層を統合すること、製造(成形)では、サイクルタイムを44%削減することにより、1・6倍まで圧縮できると発表した。また、塗装同等のコストにするには、現在の歩留まり42%を改善させる必要性も述べた。
一方、塗装も既存技術の組合せでどの程度CO2を削減できるか検討しており、塗装ブースに使用する風量の減少を主に試算した。高塗着塗装機、ブースの無人化、小型ロボットの密集配置、空調風速、ドライブース化により、ブースの全長を縮める効果等で既存よりCO2を55%減の可能性を示した。今後の課題としては、規格・材料の統一はOEMの課題であり、「OEM、材料メーカー、設備メーカーで三位一体となりCNの貢献を目指していきたい」と報告を締めた。
日本塗装技術協会の奴間伸茂氏は、今回の最終報告について「CNを考える研究会発足から現在までの5年間、協会の代表として研究会のほぼ全ての会議に参加してきた。日頃真剣勝負で競い合っている8社の技術者は、塗装領域において早期のCN実現を可能にする材料技術、生産技術のあるべき姿、要素技術を描き切った。これは一社では到底実現できない、8社連携した基礎研究の賜物である。これからは、『共創』から、いよいよ『競争』の段階に突入する。大いに競い合ってCNを早期に実現していただきたい」と、述べている。
なお、各WGの詳細発表は、本紙7月27日号「暑中特集号」でも紹介する。
